
東京メトロのハードウェアやサービスにも、隅々まで運営会社の配慮が感じられた。車内のつり革の数は非常に多く、しかも3つの長さに調整され、誰もが自然に掴めるように設計されてある。筆者はかつてモスクワの地下鉄に乗車したことがあるが、ロシア人は平均身長が高いためか、つり革は身長165センチの筆者が手をいっぱいに伸ばしてようやく届く位置にあり、少し乗っていただけで腕がしびれて辛い思いをした。そんな環境と比べると、東京メトロのつり革の設計は非常に親切。また、平日午前10時までは座席が格納されている路線があり、ラッシュ時の車内により多くの空間が作られ、ホームには人を押し込んで安全を確保するための人員が配備されている。混雑した車内にいると、降りられるのか心配になってくる時があるが、この点も日本人は心得があるのか、電車が駅に着いて、一言「すみません」と言えば、目の前にはさっと細い通路ができ、スムーズに降りることができる。
東京の地下鉄には急行電車や普通電車などの選択肢があり、乗客を分散させられるだけでなく、時間を大きく節約できる。夏になると弱冷房車両というのがあり、このサービスも現在アメリカで暮らす筆者が一番恋しく思う鉄道サービスだ。アメリカでは、汗が吹き出るような暑い日でも、車内は真冬のように寒い。壮健なアメリカ人はTシャツ一枚で涼しそうな顔をして座っているが、筆者は厚手の上着を着てお湯を飲んでいても身震いがするほどだ。そんな時、思い出すのがこの弱冷房車両だ。自分の体調や好みに合わせて車両を選択することができる。温度だけではない。女性専用車両という車両が設けられており、午後10時以降男性はこの車両に入ることができない。これは日本でセクハラ事件が頻発したためで、女性はこの車両内で身の安全を確保することができる。
東京メトロの乗車体験は非常に印象深いものとなった。どんなにすごい人ごみでも、秩序整然を維持することができていた。この一見矛盾した現象は、設計者の苦心の表れであろう。そして発達したハードウェアと質の高いサービスは、日本人の仕事に対する高い要求から生まれた成果なのだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月5日
![]() |
|
![]() |