移住の見込みは? NO!
このような“もう1つの地球”の発見は、人類が他の惑星に移住する可能性があることを意味するのだろうか。
その答えは、短期間のうちには実現困難である。現在の技術水準では40光年先に行くためには数百万年を必要とする。これは類人猿が現代人に進化した時間ぐらいの時間である。
北京市天文館の館長である朱進氏は、現在のところ他恒星惑星への移住は絶対に不可能だと言う。人類に太陽系を離れる能力はない。ケプラー望遠鏡は、単に惑星の大小と恒星との距離を観測できるに過ぎない。地球と類似した大気や液状の水、生物に関しては、「さらに深く観測する方法を持たず、衛星1つを発射する能力を持つに過ぎない」。
他の専門家は、科学者が継続して調査、観測するに値する新発見だとの見方を示す。中国科学院紫金山天文台の研究員である王思潮氏は南京で、「現在人類が知る生存可能環境から言えば、移住するにふさわしい惑星は、適切な気温と液状の水、岩体層などの条件をそなえているものである。新発見の地球型惑星は比較的それに近いものだ」と述べる。
今回発見された“三兄弟”は、地球外生命研究の新たな扉を開いた。今後の研究の可能性を拡げた。しかし、この発見は第一歩に過ぎない。今後も数年の研究を待たなければならない。科学者たちはこれらの惑星に水やメタンがあるかどうかを観測することだろう。
「もし我々が地球外生命を見つけたいなら、ここが最初に探すべき場所だ」。人類の宇宙に対する興味は尽きることがない。地球型惑星の発見はまだ始まったばかり。地球のそばにある家を訪れるために、我々は準備をするべきだ。とはいえ、そのような偉大な旅はまだまだ後の話といえるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月7日