400万元相当のダウンジャケットとジーンズは何に使用できるか。20年以上前、これらは中国最初の「人工太陽」に交換された。
人類は地球上の模擬太陽の核融合を通し、驚異的なエネルギーを発電所に安定して輸送できるようになることを強く望んでいる。トカマクは「完璧なエネルギー」を実現する希望であり、「人工太陽」と称される。
1950年代、世界各国はトカマクの研究開発に着手した。90年代初め、ソ連は2代目トカマクを開発し、1代目を他国に譲る意向を示した。これは「ゼロ」だった中国にとって大きなチャンスとなった。当時の中国科学院プラズマ物理研究所所長の霍裕平院士は、ジーンズとダウンジャケットで交換することを提案した。
中国工程院の李建剛院士は、400万元のダウンジャケット、ジーンズ、磁器などの生活物資で当時の1800万ルーブル相当の装置と交換したと明かした。
3年半かけて分解・改造し、中国の科学者はこの新装置で他国より優れた実験成果を収めた。しかし、核融合を実現するには次世代の超伝導トカマク核融合実験装置を製造する必要があった。
2006年9月、中国は世界初の超伝導非円形断面核融合装置EASTを自主開発した。この装置は世界の同類の実験装置と比べて、資金最少、製造速度最速、稼働開始が最も早い、稼働後のプラズマ放電の実現最速4つの「世界一」を実現した。
米国やフランスなどの国は1980年代中頃に始動した、世界初の国際熱核融合実験炉(ITER)計画もその頃に中国を加え、中国は加盟7カ国の1つになった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月15日