中国月周回探査プロジェクトの総設計士を務める孫家棟氏は4日、「中国政府網」の記者の取材を受け、月探査プロジェクトは現在までに主要目標を達成したが、科学探査目標の最終的な達成には、なお2つの大きな試練に直面するとの見解を示した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
孫氏によると、月探査衛星「嫦娥(じょうが)一号」の打ち上げと飛行の成功および観測データの順調な獲得は、プロジェクトの設計の正確さを証明しプロジェクトの成功を示すもので、プロジェクトの主要目標はすでに達成されたと言える。けれども、科学探査の目標達成は衛星と全システムが正常に作動しつづけることにかかっており、主に2つの面でリスクを持っている。
1つは、衛星と衛星に備えられた機器の作動の信頼性。探査機器と一部のシステムは新しく開発されたものであり、これらの安定性と信頼性は、これから1年の使用を経てはじめて証明されるものだ。
もう1つは、宇宙の特殊な環境による影響。月周辺の宇宙環境はまだ十分に把握されておらず、太陽活動サイクルの周期性とばらつきや宇宙放射、高エネルギー粒子などはどれも、衛星上の設備や計器の作動障害や故障の原因となる可能性がある。
「人民網日本語版」2007年12月5日