林国本
先般、なが年らいの日本人友人片山啓さんと北京でお会いした時に、今秋、日本の神戸と東京で「辛亥革命百周年記念」のシンポジウムを中心とした一連の記念行事を企画している、との話を聞いた。これに関連して、上海万国博覧会日本館において、8月下旬より一周間、「孫文と梅屋庄吉」展〔温故創新シアター併設〕と題する展示会を開催し、その終了後は中国人民大学と武漢大学でも同巡回展を実施し、中国の若い世代に困難な時代における日中友好の事例を伝えることにしている。
辛亥革命は、封建王朝を倒した革命として、ほとんどの中国人に知られているが、中国における反封建の先駆者ともいわれる孫文と日本人との友情、あるいは少数の日本人による当時の中国革命への実質的支援などについては、一般の中国人にはほとんど知られていない。また、地方での武装蜂起の中での陣没者の中に何人かの日本に留学していた人の氏名もある。そういうことで、「孫文と梅屋庄吉」展などは中国の一般の人たちにとっては、初めて知る史実となるのではないか。
辛亥革命以後から中華人民共和国の成立まで、いろいろな事があったが、今から百年を振り返ってみると、多大な代償を払ったとはいえ、とうとう中国も近代化の道を前進することになった。中国国内でもいろいろな記念行事が行われるであろうが、孫文の革命活動と深い関係のある日本で、中国以外としてはかなりの規模の記念行事が行われることは有意義なことである。
記念行事のために、すでに五百旗頭真防衛大学校長、谷野作太郎元駐中国大使・日中友好会館会長代行、福川伸次日中経済知識交流会代表らからなる日本側実行委員会設立準備委員会ができている。裏方をつとめる人たちも、なが年の経験の蓄積があり、このプロジェクトは必ず成功するに違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月22日