水利部によると、中国の通年の水資源総量は2兆8千億立方メートル、年間の水使用総量は5500~5600億立方メートルと、全体的には需要を満たすことが可能という。しかし、時間的・空間的な水資源分布の不安定さ、水質汚染、水系生態システムのアンバランスなどの諸問題が、現在の水資源需給アンバランスをいっそう厳しくしている。
水利部の陳雷・部長は、「水資源評価の最新結果によると、中国南部の水資源量はここ数年、5%程度増加した。一方で北部の水資源量は明らかに減少しており、うち黄河、淮河、海河、遼河地域の減少が最も顕著で、約12%も減少した」と語る。
全国の汚水排出量は増加を続け、農業生産における化学肥料と農薬の使いすぎによって水環境が汚染されている。監測評価の対象となった湖のうち半数は富栄養化(植物の栄養となる物質の濃度が増加する現象)が見られる。全国2億8千万人の農民は、基準をクリアした飲料水を口にすることができない状態で、一部都市の飲用水問題もかなり深刻だ。
水系生態システムがバランスを失っている地域がある。水使用量が水資源利用可能量をはるかに上回っている地域もあり、一部河川では間欠性断流または通年断流が発生、河川の機能は低下し、河川機能が一部またはほぼ全部消失してしまった。地下水採掘量が超過している場所は全国で164カ所、総面積は19万平方キロメートルに達した。
中国の水資源配置事業はここ数年でさらに加速、水資源の総合的なコントロール能力は向上した。全国の水利工事による実質給水量は6591億立方メートルに達した。水質汚染予防対策も強化され、局地的な水系環境悪化情勢は少しずつ改善されている。
「人民網日本語版」2007年11月22日 |