気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した報告によると、この50年の地球温暖化を招いた主要原因は人類活動で排出される温室効果ガスで、今世紀末までに地球の気温は2度上昇する。これは多くの政治家や一部の科学者が広く認める観点だが、北京大学大気科学学部の銭維宏教授はこれと異なる見解を示す。銭教授は、人類活動は地球温暖化の主因ではないとし、今世紀の地球の平均気温は最高でも0.6度の上昇で、2度も上昇するはずがないというのだ。新華社が9日伝えた。
「転換点」には対応できないというのが、銭教授が「人類活動による地球温暖化説」と異なる見解のひとつの論拠だ。地球の気温変動と大気中の二酸化炭素の濃度の変化曲線を分析したところ、大気中の二酸化炭素の濃度は1750年から1950年に徐々に増加、1950年以降の50年余りで二酸化炭素の濃度増加のペースは過去200年の6倍になったことがわかった。二酸化炭素の濃度が急速に増加し始めた「転換点」は1950年代。ところが、地球の気温が低かった小氷期から地球の温暖期の温度が急上昇し始めた「転換点」は1850年代で、二酸化炭素の「転換点」よりも100年早かった。二酸化炭素の濃度の増加は地球の温暖期以降の平均気温の変化を説明できないし、100年近くの年代間の温度振動を説明することはなおさらできない。温室効果ガスがどれだけ気温の上昇に貢献するかはまだ研究の余地がある。
銭教授によると、「人類活動による地球温暖化説」は同時に科学的時間の尺度という基準が欠如している。ここ数十年の温度と二酸化炭素の濃度の急上昇だけで100年先の温度の変化は予測できないし、最近のすう勢も自然の影響を受け変化しているという。
「人民網日本語版」2010年2月11日 |