黄砂が去るのはいつの日か

タグ: 黄砂,砂ぼこり

発信時間: 2010-03-22 15:49:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国では19日から20日にかけて広い範囲で黄砂が発生し、北の地域では影響が出て、江蘇省や安徽省、湖北省など南部地域でも砂ぼこりが観測された。気象台の20日夜の予報では、今後3日間は新たな寒気の影響で再び黄砂が発生し、引き続き影響が出るという。

中華文明を生み出した砂塵嵐

 このところ北部のほぼ全域と南部の一部では、それそれのレベルで黄砂が発生している。北部の一部の地域では猛烈な砂塵嵐も襲い、砂が舞い上がって空がかすみ、まるで砂漠の中に身を置いているかのようだ。街行く人たちの顔は砂埃にまみれ、口や目を開けているのも難しい。強烈な黄砂は交通機関や市民にもかなり影響しており、特に体の弱いお年寄りや子どもたちの中には、呼吸器系の病気を患う人もかなりいることだろう。

 一面に飛び交う黄砂の汚染にはどんな対策もほとんど効果がないように思える。しかしこのひどい黄砂に対して全く方法がないわけではない。それにはまず災害管理での科学的対策が必要だ。まず科学的な認識で対策を講じ、科学的な認識と態度が有効的な解決の道である。

 容赦なく襲ってくる黄砂。しかし環境を浄化し、海洋に豊かな栄養素をもたらすというプラスの面もある。億万年にわたり砂塵嵐は栄養豊かな砂塵を運び続けてきた。100万平方キロメートルにも及ぶ黄土高原は、1年そしてまた1年と砂塵が降り積もって形作られたもので、華北平原は黄河が黄土高原を横切りる際に多くの砂を巻き込み、それが積って出来たものだ。もしこの古来から続いてきた空を覆う黄塵が発生しなければ、肥沃な土地での中華文明はなかっただろう。

増え続ける砂塵嵐の災害件数

 黄砂は洪水や地震、火山の噴火と同じであり、自然万物の盛衰の中の一環の自然現象だというが科学研究により分かっている。しかし今では、環境を悪化させる災難や象徴に変わってしまった。また自然環境の問題だけではなく、全世界の問題にまで発展してしまった黄砂は、生態環境や社会、経済に大きな危害をもたらし、生態系のバランスを崩し、環境悪化や生産の衰退を招き、生存をおびやかして、貧困を深刻化させている。その他にも利用可能な土地資源が広い範囲にわたって失われ、人の住む空間も縮小した。

 また世界的な異常気象にともなって高まっているのが、突発的な砂塵嵐の発生率だ。統計によると、中国北部で1950年代に発生した広範囲での強烈な砂塵嵐の災害件数は5回だったが、60年代は8回、70年代は13回、80年代は14回、90年代は23回と増え続け、21世紀に入ってからは毎年十数回を数える。このことからも分かるように、経済や技術の発展により砂塵嵐の発生回数は増加し、その範囲は広がっている。また砂塵嵐は気候にも影響し、砂塵嵐が軽視することのできない天候や生態の問題であることが知られるようになってきた。

人と自然が調和した美しい景色のために

 長年の対策により、中国の砂漠化防止作業は積極的な進展が見られるが、一部の地域の砂漠化は依然として拡大している。またある地域では、乱開発、乱伐、過放牧、水資源の濫用が依然として深刻で、黄砂と砂漠化の対策が一朝一夕ではできないということを認識する必要があるようだ。

 黄砂の頻発は、つまるところ砂漠化が進行しているというこであり、そのためには中国の砂塵嵐のメカニズムや発生、広がりの法則を科学的に知り、積極的に有効的な砂漠化防止の作業を実施しなければならない。また私たちの健康や安全を守るために、黄砂の予報や警報を強化する以外にも、黄砂が人体や仕事、生活に与える異なる影響に基づいて、より具体的で細かな措置を制定するべきではないだろうか。

対策面としては、できるだけ砂塵嵐によるマイナスの影響を減らし、山間部の緑化プロジェクトや生態環境を保護することはきわめて大切だ。強烈な黄砂ができるだけ私たちから遠くなり、祖国の空や山、水がさらに青く、人と自然が調和した美しい景色が一日でも早く見られる日が来ることを願ってやまない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年3月22日

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