近年、東電を筆頭に日本の電力会社はいずれもLNG生産プロジェクトへの参画を加速しており、次々と供給市場を占有し始めている。日本のLNG消費で第2の中部電力は初めて昨年11月、オーストラリア・ゴルゴンプロジェクトの0.4%の株式を取得、毎年2270万トンのLNGを得ることができる。
電力会社のほか、国際石油開発帝石によるオーストラリアのプロジェクトの株式76%の取得、三菱商事のマレーシアやインドネシアのプロジェクトへの参画、三井物産や丸紅の米国や赤道ギニアの開発プロジェクトへの参与といったように、日本のエネルギー関連企業もLNGプロジェクトに強い関心を示している。
日本のLNGへの熱き思いは運輸業界にまで波及。三井商船もLNGを「日本の将来のエネルギー輸送の主要な増加源」と見ている。現在、同社のLNG専用貨物船の数量は世界全体の3分の1を占める。
上流の業務に照準を
LNG市場のみならず、世界の石油・ガス資源の市場で、日本も上流での供給に注目している。日本は早くに海外で自主開発基地を物色、そして建設。58年には、サウジのカフジ海上油田の開発権益を取得し、海外エネルギー地図を拡大し始めた。まず中東、アフリカ、東南アジアなどの数十カ所に開発基地を建設、その足跡は世界5大州に及ぶ。
上述したように中部電力や三菱商事、三井物産などが海外各地に進出し、株式や開発権益を取得しているのが現実だ。それは自国のエネルギー安全を保障するためにほかならない。