韓国「中央日報」3月31日の報道によると、延世大学社会環境システム工学の趙元喆教授は「結論から言うと、韓国の原子力発電所も今回の福島原発が受けたような津波に対応する力はない」と述べた。別の専門家は「もし原発内部で停電が起きれば、福島のような事故が発生する可能性がある」と指摘。
現在、韓国で稼働中の原発は全部で21基。うち古里の1・2号機、月城の1号機など、米国スリーマイル島の原発事故(1979年)以前に設計されたものもある。つまり、「原発はとても安全で、炉心のメルトダウンは絶対起きない」と信じきっている人々が設計したのだ。韓国水利原子力安全局の姜新憲局長は「古里の1号機と2号機、月城の1号機はアメリカの協力のもとに設計しており、52の項目に対し、改良に改良を重ねて設計している」という。しかし、専門家は、稼働中の原発の規格は更なる改良はされておらず、新型の原発に比べ、安全レベルは低いと指摘した。
また、緊急用の発電機は原発建屋の1階に設置されており、韓国の専門家はこれを「致命的なミス」だと指摘。津波が来れば、水に浸かってしまい使えなくなる可能性が高い。
水素の除去に関して、韓国水利原子力局は、水素を除去する設備が21基の原発全てに備わっていると述べた。それでも、福島原発のように水素一瞬にして急速に増加するような事態が発生したら、「水素の除去装置が正常に機能するかどうかは疑わしい」と専門家はいう。そして、古里原発と新古里原発以外の原発の水素除去装置は電力で動いている。もし電力の供給が絶たれれば機能しない。