英・総合学術誌「ネイチャー」のサイトによると、米国の科学者が近日開催されている米国化学学界年度大会で、放射性廃棄物に含まれるストロンチウムとカルシウムを区分することができる藻類があることを発表し、放射能事故の汚染除去に効果を発揮するかもしれないと述べた。
米国ノースウェスタン大学の研究員ミナ・クレシー氏は、「この淡水に生息する藻類の名前は『ミカヅキモ(Closterium moniliferum)』と言い、三日月の形をしたネンジュモ属のこの藻類には見事な能力がある。ミカヅキモはバリウムを必要とするが、高いエネルギーの放射線を出すストロンチウムの同位体ストロンチウム90はバリウムと構造が似ているため、ミカヅキモはこれを吸い上げ、細胞内の液胞で結晶化して隔離する」と発表した。
ストロンチウム90は非常に危険な物質であり、牛乳、骨髄、血液や他の体内組織に浸透し、高いレベルの放射能を放出し、発ガン作用がある。クレシー氏は、「ストロンチウム90の半減期は30年で、原子炉から放出されてから100年経った後でも、健康被害を及ぼす可能性がある」と指摘した。