中国科学院と米ミシガン州立大学の研究チームがこのほど行った陝西省秦嶺地区の気候予測の結果、気候変動によって現地の環境が竹の生育に適さなくなり、野生のパンダの生存が脅かされる可能性があることが分かった。研究者はできるだけ早く対応措置を講じるよう呼びかけている。同研究報告は英科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ」に掲載された。新華網が伝えた。
研究チームは、世界的な気候変動に伴う秦嶺地区の気候変動を予測した。その結果、最も楽観的な予測でも、21世紀末には気候変動により現地の環境が竹の生育に適さなくなるという。
竹は野生のパンダの主食であることから、竹が減ると秦嶺地区のパンダは生存が脅かされる可能性がある。現在同地区には野生のパンダ270匹が生息しており、野生パンダの17%を占める。
研究者らは「気候の変化により、将来一部の地方では竹の生育に適さなくなるが、竹の生育地が無くなるわけではない。現在のパンダの生息地と将来の生息地を結ぶ『回廊』を作れば、野性のパンダは徐々に新たな生息地に移動することができる」とし、対応措置を急ぐよう呼びかけている。
「人民網日本語版」2012年11月15日