焦点四:先進国の資金的承諾がみられるか
解振華氏は「資金問題はパリ会議が成功するか否かの重要な要素だ」と指摘したうえで、先進国が承諾することを期待する。加えて、これは気候変動に国際的に対応するための政治的な相互信頼の基礎だと述べる。
今年10月に発表された、経済協力発展組織が出版した気候融資レポートでは、先進国が途上国の行動のために提供する公共・民間資金は2014年に618億ドルに達し、2013年の522億ドルより増加した。しかし承諾した1000億ドルの目標とは大きな差がある。
焦点五:中国はどんな貢献ができるか
パリ会議が開催される前、中国とアメリカは気候変動対応のための共同声明を発表している。アメリカは、2025年までに温室ガス排気量を2005年比で26~28%削減することに初めて言及した。かつてアメリカが承諾した「2020年までに2005年比で17%減少」を刷新した。一方の中国は、2030年を排出量のピークとし、2030年までに一次エネルギー全体に対する非化石エネルギーの割合を20%に引き上げるとした。
世界銀行が発表したデータによると、中国のこの20年間近くの累計エネルギー量は全世界の52%を占める。「さらに直近の2年は、52%以上だ」と解振華氏は述べる。世界の総エネルギーの半分以上を中国が消費しているのだ。中国は200億元の「気候変動南南協力基金」を設立し、他の発展途上国を支援していく。
中国はすでに2030年前後となる二酸化炭素排気量ピーク時期を前倒しするとしている。そのほかにも、2030年の炭素強度を2005年基準で60~65%に減少させる計画である。一次エネルギー全体に対する非化石エネルギーの割合を20%前後にし、森林蓄積量も45億立方メートル増加させようとしている。
閉幕したばかりの中国共産党第18期第5回全体会議では、「緑の発展」など五大理念が提出された。蘇偉氏は、中国では7つの省市で排ガス取引の試験業務が行われており、2017年に全国統一の排ガス取引市場をスタートさせる予定だと述べる。中国経済構造のモデルチェンジとバージョンアップに伴い、省エネや排出削減のポテンシャルも大きくなっていくと指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月1日