陸川監督はもともと誰かと共同で脚本を書こうと思っていたが、「南京大虐殺はすでに何度も描かれたから、新鮮味を出すのは難しい」といわれ、一人で脚本を手がけることにした。
そうした中、最初の100万元の投資が突然入ってくる。会社を経営する知人の家に呼ばれた時のこと、「私が脚本の中身を話すと、知人はそれに感化されたようで、すぐに現金で100万元を私の車のトランクに運んでくれた。これにはびっくりした」。
許可証が下りる前、陸川監督はなんだか自分が詐欺師のようだったと笑いながら話す。場所を借りて会社らしくし、まるで作戦指揮部のようにして・・・・・・その後、申請許可が下りなかったり、資金繰りに行き詰まったりするなんて思いもよらなかったという。
「数え切れない人がこの映画を前に推し進めている」。陸川監督は、「お前が踏ん張りさえすれば、周りの人がお前の踏ん張りを見て手を差し伸べてくれ、守ってくれる」という友人の言葉を信じて前に進んできた。
「南京!南京!」は120分におよぶが、陸川監督によると、カットしたくないという気持ちが先立ち、当初はもっと長かったという。「作家の王朔 (ワン・シュオ)にみに来てもらった。彼は冷静な映画観賞者だから。(前半部分は南京大虐殺に関する作品の固定パターンを抜けきれていないという見解から)『前半を半分カットすれば世界的な名作だ』という意見が私の思考を前に推し進めることになった」。
「人民網日本語版」2009年4月22日