今年10月、2009年中国青年代表団第2陣500名が来日することとなり、私はそのうちのメディア分団35名の、受け入れ実施を担当することとなりました。旅程の手配や活動プログラムのプランニングなど、2ヶ月以上前から受け入れ準備を始めましたが、日本政府も代表団を重視しており、またメディアに携わる人々は社会経験や知識が豊富な方が多いため、より良いプログラムを組もうと苦心するうち、あっという間に来日の日がやってきました。
到着してすぐに、バスの中で各自に自己紹介してもらい、訪日への期待などを話してもらいましたが、団員の皆さんは想像通り、優秀で積極的な方たちだったので、「今回の活動は皆さんの期待を裏切らないだろうか。」と少し緊張しました。しかし代表団は、中国を代表する新聞社やテレビ局の記者、編集者のほか、ウェブサイト事業に従事する人やラジオ局、雑誌社に勤める方、テレビやラジオの司会者なども含まれており、会話は知性とユーモアであふれ、絶えず笑い声が聞こえていました。実施前には、今回の活動がこんなに楽しいものになるとは、想像していませんでした。
代表団は東京と名古屋でテレビ局・新聞社訪問や外務省での交流会、メディア懇談会など、さまざまなプログラムを行うという忙しい日程でしたが、それぞれの活動プログラムではみなさん真剣そのものでした。質疑応答や交流では、さまざまな話題について鋭い質問が投げかけられ、忌憚の無い意見交換が行われました。その内容はさまざまでしたが、中には日中両国間の解決すべき問題や国民感情など、難しいものも含まれていましたが、日中双方とも冷静かつ率直に対話している場面を目にして、参加者に感銘を受けると共に、今回の活動がとても有意義だと感じました。立場や背景の異なる相手と腹を割って話をするのは難しいことですが、少しでもそれができたときに得られるものは多いだろうと思います。
一週間、素敵な中国の友人達と共に過ごすことができて、私は本当に幸運だったと思っています。団員の皆さんは、いつもわれわれスタッフを気遣って声をかけたり、さまざまな場面で協力したりしてくだいさいました。そして食事や移動の時間など活動の合間に、同年代の友人として親しく話をすることもできました。私が今、中国の有名な新聞社やテレビ局などの名前を聞いたら、一番に団員の方の顔を思い出します。そして団と一緒に訪れた場所を通るときも、皆さんのことを自然と思い出します。もし日本の皆さんも、中国の国名や地名などを聞いたとき、大事な友人の顔が思い浮かぶとしたら、両国の関係は良いものとなるのではないでしょうか。
最後に、代表団の皆様に感謝すると共に、これからもずっと両国の友好が続き、さらに深まることを願ってやみません。
筆者:日中友好会館 総合交流部 木暮三津子さん
「チャイナネット」 2009年10月