南の月、東の蟹、西のアメジスト―外交について

南の月、東の蟹、西のアメジスト―外交について。 まずは、僕が考える「外交」とは何かということについて総論として説明させてください。僕のパーソナルサイトにも寄稿してありますが、僕が「にわかに定義」する外交とは「情報偏在が前提とされた、各国政府・各国マスメディア・各国国民を主なプレーヤーとした多元的繰り返しゲーム」です…

タグ: 外交 釣魚島 

発信時間: 2010-09-22 15:28:15 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

コメントはこちらへ

今回は、コメント欄で質問をいただきましたので、それにお答えする形でブログエントリーを寄稿したいと思います(今回はすこし複雑なテーマなので読むのが難解なブログになってしまい大変恐縮です、先に謝罪をさせていただきます。)。

------↓ご質問(直接転載)------------

elf 2010-9-19 14:03:04

中川さん、こんにちは、いつもブログを拝見させていただいてるんです。 この質問はいいかどうかすこし不安でしたが。どうしても、どんなお答えをお出しになるんでしょうかと気にいてて、書き込んじゃいました。 釣魚島事件につきまして(日本の場合は尖閣諸島といわれてるようですね)どう思われてるんでしょう。

------↑ご質問(直接転載)------------

テーマはズバリ!外交問題です。僕はこちらのチャイナネットさんのブログでは、あまりこの問題に触れてきませんでしたね。というのも、この外交問題というのは、日本人の僕が、中国のメディアであるチャイナネットさんで主張しますと、それ自体が「外交」というものに影響を与える可能性がわずか(本当に微々たるものとは思いますが)でもあるかなと思ったからです。でも、せっかくですから、日本・中国間の外交がいま熱い話題であるこの問題に少しだけ触れておくのはいい機会かもしれませんね。

まずは、僕が考える「外交」とは何かということについて総論として説明させてください。僕のパーソナルサイトにも寄稿してありますが、僕が「にわかに定義」する外交とは「情報偏在が前提とされた、各国政府・各国マスメディア・各国国民を主なプレーヤーとした多元的繰り返しゲーム」です。例えば、もし2国間だけに限定した外交であっても、そこには「主な」プレーヤーだけでも、A国政府・A国マスメディア・A国国民・B国政府・B国マスメディア・B国国民の6プレーヤーが存在し、ICTの発達した現代においては、国民の直接的情報交流も可能になっているため、1対1の関係としては15本の線(「6C2=15」)のプレーヤー関係があることになります。これが現代のような多国間での協議が可能な中では、級数的に膨大な数のプレーヤー関係があることになります。この多層(国内でも意図的な情報偏在が行われる)・多元(国家間が直接的なだけでなく間接的に影響を及ぼしあう)・動態的(複数回が時系列的に繰り返される)外交を前提とすると、もはや、その外交ゲームの「勝利者ゴールとしてのイニシアチブ」を獲得するのが難しいどころか、結果的にイニシアチブとはそもそも存在したのか、というほどに複雑化してしまいます(※ここでは、イニシアチブとは、合理的な行動主体ヒエラルキーが総体として、対外利害調整上相対的有利な条件で交渉・取引が成される立場・状況を得ること、を指しています。)。

1   2    


「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。