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読者:中国メーカー、日本の化粧品メーカーに学べ
発信時間: 2008-10-29 | チャイナネット

「『メードインチャイナ』に迫る印・越」という記事を拝読しました。以下は、それについての感想です。

 

私は日本で「100円ショップ」をよく利用します。そこの商品のほとんどは中国製品ですが、ここ数年の間に、ベトナムやタイ、インド等の製品もよく目につくようになりました。世界不況で消費は落ちる一方だし、人民元は今後も上昇していくでしょうから、中国製品が低価格で市場を維持することは難しいと思います。そこで品質の向上や高付加価値製品の開発が期待されるわけです。  

 

私は中国製品の愛用者で、生活用品のほとんどは中国製品、特に中国ブランドを使用しています。価格も手ごろで、品質もまあまあですから。でも、ただ一つ、どうしても日本製から離れられない物があります。それは化粧品です。これだけは帰国した時にまとめ買いしています。中国の化粧品は、一見、日本のと差異はそれほどないのですが、「女性を気遣った細部へ拘り」という点では、やはり日本の方がまだ上と思います。例えば、ファンデーション等を入れるコンパクトの鏡。中国の物は小さく映りがあまりよくありません。一方、日本の物は大きく、くっきり映るよう工夫してあって、目元の細かい化粧をするときなど、近眼の私にはとても使い勝手がいいのです。また、化粧パフですが、日本の物はきめ細かく柔らかい素材で作ってあるので、肌に負担をかけず、気持ちよく使えますし、ブラシは目、頬、口等顔の部位によって毛先の形を変え、それぞれ無駄なく最適な使用ができるよう、徹底した工夫を凝らしています。

  

こうした製品は、日本のメーカーが絶えず消費者の声に耳を傾け、日々研究と開発を続けてきた成果であり、また、彼らがそうせざる得なかったのは、急激な円高で海外製品と価格競争が出来なくなり、市場も飽和状態になった日本で、必死に生き残ろうと努力したからだと思います。あまり自国のことを誉めるのは控えたいのですが、こうした日本メーカーの「健気な努力」は、やはり評価に値すると思います。

 

世界不況で輸出が伸び悩む中、中国メーカーは今後国内市場へ目を向けるそうですが、生活の質が向上するにつれ、消費者の意識も要求も一層高くなりますし、価格でも品質でも海外ブランドとも競争していくわけですから、生き残り勝ち抜くことは、本当に容易なことではありません。中国のメーカーには、今後大きな挑戦と試煉が待っていると言えましょう。  

 

とはいえ、中国メーカーはやはり有利です。中国人を一番よく理解し、中国の状況を最も的確に把握できるわけですから。しかし不安なのは、メーカーに限らず中国企業全体に、国内消費者に対する尊重と思いやりの精神が、不足しているように感じることです。日本の企業はよく「お客様は神様」と言います。一人一人の顧客の事を常に念頭におき、彼らが最大限に満足できる仕事をする、企業にはこうした心構えが不可欠です。肝心なのは「誠実・謙虚・繊細」です。中国メーカーは今後大きな転換期を迎えますが、中国製品の愛用者としては、少しでも多くの中国メーカーが、様々な困難の中から教訓を汲み取り、工夫と研鑽を重ね、勝ち抜いてくれることを心から願います。そして、素晴らしい製品を次々と世に送り出してください。期待しています。

(作者は読者の宮田聡美さん) 

「チャイナネット」2008年10月29日

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