中日の詩吟に酔った故・謝晋監督

北京週報  |  2008-10-30

中日の詩吟に酔った故・謝晋監督。

タグ:中日 詩吟 謝晋

発信時間:2008-10-30 15:02:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

続いて、中日の詩吟愛好者が代わる代わる舞台に立ち、日本の愛好者らは和服を着て日本式の高吟を行い、中国の漢詩や自分で作った伝統的な漢詩を吟詠し、詩舞を披露した。中国側の愛好者は古典の詩詞を吟じたほか、上海の著名な演奏家である龔一氏が古琴で古い詩詞を弾き、笛の王と呼ばれた陸春齢氏が横笛で古い詩詞を吹き、人々を古い時代の詩詞が持つ素晴らしい詩境へといざなった。

謝晋監督は詩吟や古い詩詞の演奏を興味深げに味わい、酔いしれたように時折、古い詩詞を思わず自ら口ずさみ、舞台の上と共鳴し合っていた。「私は古い詩詞が大好き」と言う謝晋監督の文化に対する造詣の深さは、古い詩詞を含む古代文化に感化されたせいかもしれない。

このときの詩吟の会では舞台に上がる人が比較的多く、プログラムも多かったため、空が暗くなってもまだ終わらず、疲れて会場を後にする年配者もいたため、ある指導者が謝晋監督に対し、先に帰っても構わないと言ったが、謝晋監督は首を振り、最後までがんばり、彼と一緒に座っていた日本詩吟団の団長や会場のスタッフたちをみな感動させた。詩吟の会が終わり、スタッフの一部が一緒に記念撮影をしたいと言い出したときも、疲れているはずの謝晋監督は笑みを浮かべて彼らの願いを受け入れ一人一人と記念写真を撮った。その1枚1枚の写真は忘れられぬ永遠の記念となり、今でも監督への尽きせぬ追憶の1コマとなっている。

やがて、私は胡暁秋氏を通じて謝晋監督に対し、上海中日詩吟の会への題辞の揮毫をお願いした。謝晋監督は快諾し、「浦江岸辺吟声高、一衣帯水情更長」(黄浦江の岸辺に詩吟の声が高く響けば、一衣帯水の隣国の心はいっそう長く続く)と揮毫してくださった。飾り気のないこの2つの語句は、私たちが開催している中日詩吟の会に対する謝晋監督の肯定であり励ましであるとともに、中日の世代にわたる友好に対する彼の願いであり期待でもあった。

謝晋監督が黄泉の国へと旅立たれたのは残念で悲しいことだが、彼の親しみやすい風貌と笑顔は永遠に私たちと数多くの映画ファンの心に残り、彼が監督した1つ1つの作品は映画芸術の宝として後世まで伝わっていくことだろう。

「北京週報日本語版」より2008年10月30日

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