中国の通信業界再編の主要な目的は、通信市場において力の拮抗する3企業を形成し、中国通信市場における良質な競争を促すことである。その副産物として、3企業に対し、3G方式の営業許可がもたらされている。最終的な結果として、中国移動がTD-SCDMA方式を、中国電信(チャイナテレコム)がCDMA2000方式を、中国聯通がWCDMA方式を獲得している。
通信業界再編の客観的な結果として、中国移動が依然として実力的には勝っているにせよ、未来の市場の競争が激しさを増すのは間違いない。中国通信市場の発展の形勢から考察すると、未来の市場の競争は2方向に向っている。
一つは、モバイルネットワークを核心とする3G業務であり、もう一つは、通信キャリアのICT(情報、通信に関する技術)業務である。そしてこの2項目は日本の通信キャリアが長じる領域である。
3G業務に関し、日本の通信キャリアの経験は疑うものもなく、消費の習慣が近い中国市場は、日本の通信キャリアにとって有利な戦いの場となる。
ICT業務においては、NTTを例にとれば、NTTが設立したNTTデータは、政府、金融および工業の領域における大型、中型企業を顧客とし、ネットワークを建設するだけでなく、各レベルにサービスの集積を提供し、また顧客のためにネットワークとIT系統のプランニングコンサルタントを行い、システム設計、開発、システム構築と維持管理、ソフトの請負いなどのサービスも行う。これこそ、中国の通信キャリアの発展段階において火急に必要とされるものである。
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