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就職難をどう乗り越える?百万人の大卒者たち
発信時間: 2009-02-23 | チャイナネット

加藤 嘉一=文

加藤嘉一:時代と彷徨う中国の「80後」世代

 

12月初旬のある日、知り合いの某新聞社中国特派員から一本の電話がかかってきた。「実は今、最近の金融危機の影響で問題になっている大学生の就職難に関する記事を書こうと思っているんだが……」

2009年度の大学卒業生のうち、百万人が職に就けないという状況が起こっているらしい。事前準備や取材なしで、これまでの経験と感覚のみに頼ってこう答えた。

「北京や上海の学生は困っているでしょうね。中小企業が次々潰れ、外資企業も後ろ向きになっている広州あたりの学生も大変でしょう。帰省して就職する人間が大量に出てくるのではないでしょうか。金持ちは海外留学するでしょう。コネのある人間は公務員になるはず。いずれにせよ苦し紛れですよね。ただ、北京大学の理系や清華大学など一部エリートにとっては関係ないんじゃないですか。彼ら・彼女らの相手は景気じゃなくて、自分だと思いますよ」

その後、回りの学生をいろいろ取材してみると、あながち、自分の感覚と実際の状況との間に、たいしたズレがなかったことに、少しほっとした。

対策に知恵絞る政府

マスコミの各種報道や政府発表などを総合すると、そこには確かに厳しい現実がある。2009年の大学卒業予定者数は610万人で、前年度の559万人から51万人も増えている。中国社会科学院が発行する2009年『経済白書』によると、やはり、百万人が職に就けない見込みとある。

2008年11月、大連市の世界博覧広場で催された秋の就職説明会に集った4万人を超す大学生たち

インターネット上で「大学生就職難」を調べてみると、驚くほど多くの関連記事が出てくる。それだけではない。政府系、民間を問わず、各メディアとも『大学生就職難』の特集を設け、「大学は出たけれど、どこへ行くの?」「金融危機下で就職はどうする」「大学生就職難の現状分析と今後の趨勢」など、あらゆる角度から報道を展開し、一つの世論を形成している。大学生の就職問題は間違いなく、今年度のホット・イッシューになるだろう。

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