ホーム>>中日両国>>視点
『国際先駆導報』:日本の博士、半数は就職できず
発信時間: 2009-03-26 | チャイナネット

文=張鴎

背中を汗でにじませ就職説明会に参加し、求人数の冷え込みから就職率が落ち込んでいるという二重の困難な状況の中で、博士号取得者でさえ就職までの道のりの厳しさに嘆いている。

 

ある名門大学院出身の博士号取得者はこのほど、長期にわたる働ける仕事がないという悶々とした失業生活に耐えかね、他の失業者と組織を結成し、「貧困をなくせ」と力強く訴えながら通りを練り歩いた。今回の大規模な失業者のデモ行進は、博士号取得者の活路を求め悩む姿を浮き彫りにした。「帯に短し、たすきに長し」という就職をめぐる状況の中で、切なさを誘ういくつもの「博士哀歌」が通りに響き渡った。

 

「貧乏博士」の苦しい生活

困難な状況にある現在の日本では、博士号という輝かしい学歴が高報酬の理想的な職業に結びつかず、少なからぬ博士号取得者は経済的に苦しい生活を送っている。首都圏非常勤講師組合の調査によると、博士号取得者のうち、順調に安定した職業に就けたのは約6割だけだったという。ある46歳の男性は、東北大学で理学の博士号を取得した後10年間、「貧乏博士」となった。「大学の教員募集には100回以上応募したが、1回も採用には至らなかった。生活のために塾講師、図書館スタッフ、学校警備員として働いたこともある。この10年間、年収は最も多くても150万円だけだった」と男性は貧しい暮らしと残酷な現実でやるせない思いに駆られた当時を振り返る。

 

大学に残るための「救命ブイ」をつかむ

高学歴の博士号取得者は、職探しに苦労する「就職漂流」とも言える不安定な境遇にある。さらに、経済の低迷により、本来就職の門戸が必ずしも広くない文系博士号取得者には、一層不利な状況となった。このため、大学教員のポストをめぐる競争は激化している。競って大学に残るための「救命ブイ」をつかむことは容易なことではない。難易度の高い競争であることは確かだ。立命館大学の研究機関に研究員として在籍する水月昭道氏は「博士号を取得しても、大学教員になれるのは数十人に1人」と、この「救命ブイ」をつかめるわずかな確率を説明する。

 

早稲田大学大学院博士課程で文化人類学を専攻する28歳の牛山美穂さんは、将来に大きな不安を抱いている。論文を書き終えたら大学数校に送り、助教授などのポストを探す予定だという。「正規の仕事であればどこでも構わない」と焦りをのぞかせる。

1   2    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 『国際先駆導報』:日本の博士、半数は就職できず

· 日本の魚付林の考え方と中国を含めた国際協力

· 日本でミサイル迎撃の成否が議論に

· 中日関係の健全な発展には思想面の取組みも必要

· 中国人留学生、日本で「就職氷河期」へ