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戦略的選択に直面する北東アジア地域 朝鮮核問題
発信時間: 2009-06-10 | チャイナネット

戦略的選択に直面する北東アジア

核保有戦略の正式な選択は朝鮮にとっては直面する安全問題を容易にする可能性があるが、北東アジア地域のその他の国にとっては新たな戦略的選択に直面することになる。この選択は2つの重要な問題にかかわっている。1つは朝鮮の核保有戦略の意図と影響に対する判断の問題、もう1つはどのように対応するかという問題だ。

 

実際に核保有の主観的な目的を的確に判断するのは難しいことだ。朝鮮は核保有の目的が自衛のためだと言明しているものの、米日韓はいずれも脅威だと認識している。日本の国家基本問題研究所は「非核3原則見直し提言」の中で、朝鮮の目的が「韓国を武力併呑する際に米軍の介入を阻止することだ」と直言。このような極端な判断は、少なくともいまのところ証拠に欠けているが、北東アジアの国にとっては朝鮮の核保有の意図を判断することより、もっと重要なのは自国の主観的な戦略選択であることがここからわかる。

 

北東アジアの国が冷静かつ理性的に対応し、地域の安全問題で対話と協力を強めるならば、朝鮮の核保有が地域の安定に与えた危険性を最低限に減らすことができる一方、いかなる非理性的な軍事衝動も有効に抑制し、不穏な局面の出現を避けることができる。逆に、過激な反応をとれば、互いに過激に反応し合うような悪循環にエスカレートし、極端な場合は自国も核武装を行うまでに至るだろう。そうなれば、北東アジア地域は持続的な不安定局面になるだろう。

 

朝鮮核危機以来、毎度の過激な反応は問題を解決できないだけでなく、相手が過激な行動を取るためのもう1つの合理性をつくってきたことをわれわれは見ている。一部の国は朝鮮の衛星発射問題について国連安保理が強い反応を示すよう極力推進しているが、これはまさしく安保理が朝鮮の核実験で示す反応の意義を失わせるものだ。

 

現在、各側がいずれも感情的に高ぶっている状況の下、最も必要なのは冷静さを保ち、相互に反応し合うような危機にエスカレートすることを避けることだ。冷静に対応することによってのみ、われわれは理性的に問題の解決策を求めることができる。理性的に問題を解決するにはわれわれが地域の安全で共益の局面をつくる必要がある。共通の安全を感じてこそ、われわれは本当の安全を持つことができる。ところが、常に対立状態にあり、自国の安全を一方的に強調すれば、われわれはいつまでもわれわれの必要とする安全を得られないだろう。

 

「北京週報日本語版」より2009年6月10日

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