「東アジア共同体」に関する議論は長年にわたって続いてきた。今回日本の鳩山由紀夫首相が再び打ち出し、中韓両国がこれを「長期目標」として受け入れたのはアジア地域主義の重要な進展と言えよう。しかし、「東アジア共同体」の内包については依然諸説紛紛の段階にあり、鳩山版「東アジア共同体」はどんな特徴があるのかもよく知られているわけではない。
いわゆる鳩山版「東アジア共同体」には下記の三つの特徴がある。第一に、地域範囲が広く、東北アジア、東南アジア、南アジア、オセアニアを含み、東アジアの範囲を大きく超えている。具体的に言えば、ASEAN10カ国に中日韓を加え、さらにインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えたもので、いわゆる「10+6」である。第二に、アメリカを排除しようとするものである。鳩山政権はインド、オーストラリア、ニュージーランドを引き込もうとしているが、共同体を北アメリカに向かって開こうとはしていない。岡田外相は「アメリカは正式のメンバーとして“東アジア共同体に参加しない」と明言したことがある。これは日本の高官がアメリカを排除する考えを初めて明確にしたものである。第三に、EUモデルを原本とし、目標は経済一体化の段階に止まらず、最終的にアジア版の欧州連合を構築しようとするものである。
しかし、鳩山版の構想は少なくとも短期的には現実的なものではない。まず、「10+6」モデルの意図はいわゆる「民主国家」の数の強みを利用して共同体における日本の地位を増強するもので、目的は中国をけん制し、主導権を勝ち取ることである。これに対し、中国を含む多くの国は、共同体の範囲は東アジア地域内に制限するのが実行可能性があると見ている。「東アジア共同体」という構想の最初の提唱者の一人であるマレーシアのマハティール前首相が先般語ったように、「オーストラリア、ニュージーランドを排除すべきである。この2カ国は欧州人の国で、その政策は欧州諸国の政策と同じであり、心はアジアにないからである。」
「北京週報日本語版」 2009年10月19日 |