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劉徳有会長、大平正芳氏と中日関係を語る
発信時間: 2009-10-26 | チャイナネット

肖向前代表と孫平化団長の歓迎パーティに出席

 

1972年7月の自民党総裁選で、田中角栄氏が勝利し、直ちに組閣に入り、大平正芳先生は外務大臣に任命されました。田中内閣が発足した三日後の7月10日、孫平化氏の引きいる中国上海バレエ団が日本公演のため東京に到着しましたが、このことに関し、大平外相について特筆すべきことがございます。

7月20日、藤山愛一郎氏がホテルニュージャパンで東京に赴任してきたばかりのLT貿易の肖向前代表と孫平化団長の歓迎パーティを催されましたが、新聞記者のわれわれは会場に入ってびっくりしました。大平正芳外相はじめ、国務大臣三木武夫、通産大臣中曽根康弘、参議院議長河野謙三らの現職の政府要人、自民党三役、野党の党首がずらりと並んでいるではありませんか。中日関係が正常化する前に、中国代表団を歓迎するパーティにこんなに多くの現職の閣僚が出席するのは破天荒のことでした。日本語に「意は言外にあり」という言葉がありますが、パーティの真意が別にあることは一目瞭然でした。

藤山愛一郎先生が挨拶をされるとき、とくに目線を大平外相へ向け、会場を見回してから、意味深長に次のように言われました。

「今日のパーティから、日中両国友好関係の道が開けるかも知れません。とりわけ、現職の大臣しかも外務大臣として、大平外相に出席していただいたことは、画期的なものだと思います。今日は両国関係がさらに前進する日になると思います。この意味で、今日のパーティにはまた新しい意義が添えられたものと思います。」藤山氏はつづけてつぎのように言われました。

「大平外務大臣はさらに、外務省は東京にある中国のLT貿易事務所と接触できる道を作る必要があると言って、将来をめぐって相談をする時に、わざわざパリやジュネーブに行く必要はない、とおっしゃいました。外務大臣のこのお言葉を伺い、とても勇気づけられました。とにかく、日中国交の回復は必ず近い将来、しかも最も近い将来に、もしかすると明後日にでも実現できるかも知れないと思います。これはわれわれの希望です。」

藤山氏のご挨拶を聞きながら、私は大平先生が外相就任直後の記者会見で言われたことを思い出していました。大平先生は「日中国交正常化のために、首相または外相の訪中が、ある段階で必要と思う」、そして台湾問題について「日中国交正常化の交渉を進めていき、それが完結する状態になった時には、日台条約が存在するとは考えられないと思う」と明言されたのです。

その年の9月に田中総理、大平外相のご一行が中国を訪問され、北京で周恩来総理との間で中日国交正常化についての交渉が行なわれましたが、そのなかで、大平先生はこの信念と立場を最後まで貫かれたことは周知の通りであります。

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