今年は大平正芳元首相が訪中して30年、来年は大平元首相生誕100周年にあたることから、北京日本学研究センターと日本の大平正芳記念財団は、中日友好に貢献したこの日本の政治家を記念し、中日関係の将来を展望するために、「大平正芳元首相生誕100周年記念シンポジウム」など、一連の記念イベントを10月に北京で開催する予定。
同シンポジウムでは、中日関係改善の過程を身をもって経験したハイレベルの人たちや中日関係史の専門家や学者による記念講演のほか、大平正芳記念論文賞受賞者による研究発表と日本学優秀論文賞の表彰式も行われる。また大平正芳氏著作集『永遠の今日に生きる』の中国語版発刊式などのイベントも予定されている。
2007年から大平正芳記念財団の助成により、北京日本学研究センターは、『柳田国男のえがいた日本――民俗学と社会構想』『徳川思想小史』『環境社会学』『環境資源経済学』など、日本の文化・思想・社会や経済を紹介する4冊の著作を中国語に翻訳して出版し、参考教材として中国の70数箇所の大学や研究機関に寄贈している。大平正芳氏著作集『永遠の今日に生きる』の中国語版も10月中旬に出版寄贈する予定。
北京日本学研究センターは、30年前に大平元首相が訪中した際、中日政府が調印した文化交流協定の協力プロジェクトの一つである「北京日本語研修センター」(通称「大平学校」)の後を受け、中国教育部と国際交流基金の協議により1985年に開設された教育研究機関であり、これまでは日本語教育や日本学研究の専門家を数多く養成し、また大平正芳記念財団の協力を得て、『大平文庫』の設立、日本学優秀論文賞の表彰や日本の名著翻訳出版など、中国の日本研究人材の養成に寄与する助成事業を実施してきた。
写真は『柳田国男が描いた日本――民俗学と社会構想』の中国語版の表紙。
「チャイナネット」 2009年5月15日 |