中日共同歴史研究第1ステップ最終会議がこのほど東京で行われた。中日双方の委員会は共同宣言を発表、第1ステップの共同研究は既に終了し、双方は今後、関連論文を発表するとした。日本から帰国したばかりの中国側委員会の代表6人が26日、北京でメディア座談会を開催した。
中国側主席委員を務める中国社会科学院近代史研究所の歩平・所長によると、日本側学者は研究成果の中で、日本の軍国主義による中国に対する侵略が中国人民に甚大な傷害をもたらしたことを明確に承認し、戦争中に旧日本軍のさまざまな不法行為で多くの中国の一般市民が犠牲になり、戦争の深い傷跡が、戦後新たな中日関係を構築する上で障害となったことを認めたとした。研究報告は来月にも発表される。
歩所長は、中日双方の研究員は16の共同テーマを定め、テーマ毎にキーワードを10語前後確定したと述べた。同一テーマについて執筆を行う両国作者は何度も面談を実施、度重なる意見交換を行い、相手方に対して論評と質疑を行った。日本が中国に対して発動した戦争が侵略戦争であったかについて議論が及んだ際、日本側学者は侵略の定義とはなにかというところから討論を開始、中国側委員は歴史討論を言語学討論に転換させるべきではないとの認識を示した。歩所長はさらに、学術研究は政治的交渉ではなく理性的交流であり、双方の学者は時には顔が紅潮するほどの論争を展開したこともあったが、依然として学術論争であることには変わりはなく、いかなる観点も国家の観点を代表することはないと語った。
中国社会科学院米国研究所の陶文鞘E・研究員は、中日戦争と太平洋戦争の一部の報告執筆に参与した。陶研究員は、両国学者の学術研究の上での共通認識と意識のずれを総括するのは簡単なことではないと感じたという。「我々にとって大きかったのは、重点が異なることだった。例えば太平洋戦争について私が記した際、中国が一連の国際事件を通じていかに大国の地位を獲得していったかについてより関心を置いた。しかし日本の学者はこれらの資料を国内で得ることはできず、このことに対する言及は極めて少なかった。一方で日本の学者は『大東亜会議』に関心を示したが、我々の観点からすればそれは虚言であり、多くを記す必要はないと感じた」。陶研究員は最後に、中国側委員は報復主義を念頭に歴史を研究しているのではなく、歴史の明確な認識のために研究を行っている。歴史のページをひもとくことで、未来に向き合い、より良い中日関係の発展に貢献したい、と語った。
「人民網日本語版」2009年12月30日 |