新華網などの中国メディアは26日、発生から2年間未解決だった「毒ギョーザ事件」がついに終局を迎え、呂月庭容疑者が逮捕されたと報じた。呂月庭容疑者は製造工場の職員で、賃金やその他の職員に対して不満があり、報復のためにギョーザに毒を混入したと供述している。警察はすでに犯行に使用された注射器を押収し、多くの証人と証言を集めている。
このニュースが日本に伝わり、世間では大きな反響が起こり、『読売新聞』や『朝日新聞』などもこれを報じた。しかし、この事件がこれほど単純なことなのかと懸念を抱く人も少なくない。
毒ギョーザ事件は複雑に思えるが、刑事面から見ると、ロジックがはっきりしている事件である。
事件発生後、中毒の原因が有機リン系農薬(メタミドホス)であることが化学検査でわかった。また、兵庫県と埼玉県で見つかった毒ギョーザの包装袋には穴が開いていた。
千葉県と兵庫県高砂市という離れた場所で同時に発生したことから、日本国内で誰かが故意に毒を混入したことは考え難い。税関で混入されたという見方については、2回にわたり毒が混入された食品が同時に到着せず、2つのルートを通り、異なるコンテナで異なる港に到着した。同じ製造業者のものなのに、別々に毒が混入された可能性は低い。
さらに、日本ではとっくにこの農薬は使用されておらず、この農薬を入手し使用した可能性は低い。
したがって、中国で毒が混入された可能性が非常に高い。
その後、兵庫県警が押収した天洋食品の一口冷凍ギョーザから、メタミドホスの入った「毒ギョーザ」がさらに6袋見つかった。この6袋はいずれも2007年10月1日に製造された製品で、高砂市の被害者が食べたギョーザもこの6袋と同じ日に製造された同種製品だった。
しかし検査結果には疑わしい点があり、この6袋の毒ギョーザはいずれも開封されておらず、メタミドホスは包装袋の外側から見つかった。中国側はこのような状態でも中毒を引き起こすことがあると検証している。
これが事件の解決に大きな助けとなった。
まずこの「毒ギョーザ」は中毒が発生していない場所からサンプリングしたもので、中国産ギョーザの質や衛生面に問題があるという可能性を排除し、「毒が混入された」という方向で解決を進めた。