3月の27日、28日の二日間、「中日友好日本高校生訪中団」の北京での訪問活動を随行取材してきた。2007年中日両国政府が『共同声明』を発表し、青年交流に力を入れることに同意した。2008年が『中日青少年交流年』と決められ、現在、両国の間で毎年4000人規模の青少年相互訪問が行われている。2010年早春の今回の訪中団の取材で、ここ3年間の交流活動の成果を実感した。
今回の訪中団は成立60周年を迎える日本中国友好協会と中国中日友好協会の主催によるもので、団員は日本の福井県、長野県、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県からの高校生(87人)と引率の先生(4人)、日本中国友好協会の責任者(5人)、通訳(1人)と看護士(2人)からなっている。北京に滞在期間中、北京五輪のメインスタジアム・「鳥の巣」や中国の名勝である万里の長城を見学したり、北京ダックをたべたり、中国の雑技の公演を見たりした。また、28日午後、北京の西に位置する北京市第19中学校を訪れ、中国の高校生と楽しい交流を行った。
・言葉が通じないけど、それを乗り越え、楽しい高校生交流
訪中団は28日、午後2時に第19中学校に到着した。中学校の正門で迎える中国人高校生の笑顔を見て、「感動した」という日本人高校生の声を聴いた。両国の高校生の言葉は通じないが、一緒に歩きながら、早速英語交じりの交流が始まった。第十九学校での歓迎式に参加した後、学校の見学や合唱、書道、ソフトボール、太極拳などの部活動の参加などでさまざまな交流を行った。
合唱部の活動では両国の学生が「ジャスミンの花」という中国の民謡を歌った。両国の学生は8組に分けられ、中国人学生が楽譜を持ち、日本人学生に歌詞とメロディを教え、最後に8組の中で、一番よくできた2組に披露してもらった。日本人学生の中では、挨拶ぐらいの中国語ができる子もいるが、短い時間で、まったく聞いたことのない中国の民謡を覚えるのは難しいなあと心配しながらも、両国の学生は積極的に交流した。英語、中国語、ボディーランゲージなどあらゆる交流の手段が利用され、たった30分で歌えた組もいた。1時間がたちますと、歌に限らず、趣味や漫画の話などもするようになり、さらに、メールのアドレスを交換したり、お互いに記念写真を撮ったりする子も多く見られた。最後の合唱では、「日本も同じような歌がありますよ」と、茨城県立取手松陽高等学校2年生の中村瑞希さんが言うと、「ぜひ聞きたい」「歌ってください」と中国人の学生が喜んで言った。それを受け、中村さんは日本の歌「まつりか」を歌った。
茨城県立取手松陽高等学校2年生の中村瑞希さん |
富山高等専門学校の水林香澄さん(左) |
部活が終わって、彼女の感想を聞いて見ると、「歌を歌うことが好きなので、旅行で交流の機会には、必ず歌の歌う。『音楽には国境がない』という通り、先の合唱部の活動はとても楽しかった。また、ここで友達ができて、本当に自分と趣味があったので、メールも交換した。次回、チャンスがあれば、ぜひ、中国に長期間滞在して、多くの中国人と交流したいです」と話してくれた。同じ合唱部の活動に参加した富山高等専門学校の水林香澄さんは「中国人の学生さんは積極的に話してくれ、本当に感動した。交流の時間は短いけど、中国のことが好きになった。今度、ぜひ、観光や留学などで、もっともっと中国のことを知りたいです」と話してくれた。書道部の部活参加したオイスカ高等学校の棚橋美奈さんも「言葉は通じないけど、書道は同じ漢字を書きますので、気持ちは十分伝わりました。交流の時間は短いけど、友達ができました」と言ってくれた。