①「この女は穢れている」~日本ボランティアが記述する中国慰安婦史
石田米子氏と万大娘とともに展示室をゆっくりと巡っていた中国社会科学院近代史研究所所長の歩平氏は、過去にも同じようなことがあったと話す。
歩平氏によると、中国の若者が日本の友人に対し「私が感動したのは、あなた方も反日の立場に立っているからです」と述べると、その友人は仕方がないという様子で次のように答えた。「私たちは反日のためではないのです。戦争中の日本兵の責任を追及する理由は、日本に反対しているのではなく、日本を愛しているからなのです。戦後、日本は歴史的責任を果たさなければ、国際社会の承認を得ることができないと考えています」。
「歴史学者の務めは過去の歴史を明らかにすることですが、明らかにすることは何の役に立つのでしょうか。これは私たちがずっと考えてきた問題です。現在、私たちの周りに戦争に参加しそれを記憶している人はほとんどいませんが、歴史を学ぶことは戦争の残酷さを記憶に留めることなのでしょうか」と歩平氏は述べる。
さらに「この展示はとても代表的なものだと思います。中日両国の人々がともに侵略戦争反対の立場に立ち、未来の平和を祈っているのです。現在、両国の人民の間には相互理解の問題が存在していますが、展示は私たちにより深い問題を提示しました。どのように心理上、コミュニケーション上の相互理解をさらに進めるかという問題です」と指摘する。
石田氏によると、現在日本において、彼女たちの活動に参加し、主体的に当時の歴史を理解しようとする若者は必ずしも多くないという。「通常は3カ月に1度参加人数が100人ほどの関心向上を目的とした活動を行っていますが、参加者のうち20代の若者が10人いれば、かなりよいほうです。会場全体が目を大きく見張り彼らを珍しそうに見つめますね!」。
山西省に留学している日本人大学生は展示を観覧し終えた後、「見終わった後に非常に強い震えを感じました。第一線を訪ね自分の目で歴史を認識したいです」と感想を述べていた。
「こんなに長い間、訪問や研究活動を行ってきましたが、私が得たのは特定の結論ではなく、あの頃の歴史を認識する方法です。必ず自分の頭で考えてから、前に進むというやり方です」と石田氏は話してくれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月7日