日本経済新聞によると、日本財務省は、発展途上国からの輸入品を対象とした一般特恵関税制度(GSP)を2011年から調整し、発展途上国一国で利用できる特恵枠の上限を20%から10-15%に引き下げる。日本最大の輸入元国である中国はこれで大きな打撃を受けそうだ。経済参考報が伝えた。
一般特恵関税制度とは、世界最低率の関税制度の一つで、世界貿易機関(WTO)の枠組みの下で、発展途上国の完成品と半製品(第一次産品の一部を含む)に対して先進国が与える、普遍的・無差別的・非互恵的な関税優遇制度の一種。優遇を受ける国は、関税免除または最恵国待遇より低い税率を享受することができる。日本では09年度、1兆5千億円 (輸入総額の3%に相当)の輸入商品がこの制度の適用を受け、輸入商品の品種の約6割にあたる3500種をカバーしている。
報道によると、今回の調整の主因となったのは、中国からの輸入品の急増だ。中国から日本への輸入額はすでに年間10兆円を超えており、ほかの国からの輸入を大きく上回っている。国際競争力の比較的高い中国商品が、日本市場で適用される一般特恵関税制度の多くを享受していることに、日本の世論からも不公平だとの声が出ている。
日本の現在の規定では、発展途上国一国で利用できる特恵枠の上限は総額の20%を超えてはならないとされている。シルクネクタイを例に取ると、日本の毎年の輸入額は約100億円で、通常の場合、13.4%の関税が課される。一般特恵関税制度に照らして関税ゼロ待遇を受けられるのはそのうち55億円、この約2割を中国製品が占めており、現行規定の上限にほぼ達している。統計によると、中国が年初から一般特恵関税制度を享受している日本への輸出品78分野のうち、適用額が上限に達しているのは36分野500項目余りにのぼっている。これには、アルミニウム製品・銅板・銅管・合繊繊維布のほか、その他の鉱工業製品などが含まれる。
アナリストによると、一国で利用できる一般特恵関税制度の限度額を下げることは、中国の利用額を下げ、ほかの発展途上国が利用できる特恵額を上げることになる。だが、一部の分野では商品輸入のコストが上がり、輸入業界からの反対を招くことにもつながる。さらに、生産拠点を日本から中国に移した企業や中国での業務展開を検討している企業も影響を受ける可能性がある。
「人民網日本語版」2010年7月28日