そのため、当時の首相であった小泉元総理にも申し上げたのです。日本を「ニッポン」と読むのはおかしい、と。戦前は、「ニッポン」という読み方が好まれました。また、現在でも、スポーツ競技の応援の場面では、この読み方が好まれています。「ニッポン」という響きには、なんとなく元気がわいてくるような、そんなイメージがあります。国立国会図書館で調べてみたところ、「ニッポン」という読み方は、江戸時代に長崎から伝わったものだとされていることが分かりました。なぜなら日本ではそれまで促音(つまった音)で読まれることはなかったのです。
実は、日本では過去において「日本」を「ニッポン」と発音しようという動きが本当にあったのです。第二次世界大戦が始まったばかりの頃、日本の陸軍は「日本」を「ニッポン」と読むようにしていました。
私はこの問題をどこまで突き詰めようとかは思っていません。人の名前と同じように、正式名称のほかに、愛称や別称があってもよいと思っています。ただ、一体どちらの読み方が本当なのか、はっきりさせておきたいだけなのです。そのため、日本の国号の読み方について定説を設けるべきだと思っています。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月3日