日本の財務省が発表した最新統計によると、中国の日本国債への投資が急激に拡大している。日本のメディアは、日本政府は中国の意図と動向を慎重に分析していると報じている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国側のアナリストによると、中国の日本国債購入拡大は、その膨大な外貨準備の分散型多元化投資を体現する重要な一環で、リスク回避や外貨準備価値の維持・向上のほか、人民元改革をさらに推し進めるのに有利となる。
日本側のデータによると、今年1月から5月にかけ、中国は1兆2762億円の日本国債を購入、1兆円の大台を突破し、過去の年間購入額を大きく上回った。なかでも5月単月の買越額は過去最高の7352億円となった。
中国の外貨準備運営は国際通貨と投資の多元化戦略を実施しており、短期的な利益を見込んだ投機は行っていない。ドル、ユーロ、円などの主要通貨を適度に分散した通貨構造を形成し、主に政府系や機関系、国際組織系、企業系、ファンドなどの資産に投資している。
6月末の時点で、中国の外貨準備高は前年同月比15.1%増の2兆4543億ドルとなった。それまで中国は相当の割合の外貨準備を米国債購入にあてていた。米財政省のデータによると、5月末の時点で中国が保有する米国債は8677億ドル。
中国社会科学院金融研究所金融市場室の曹紅輝主任によると、先行きが予見できない世界の経済・金融情勢にあって、中国はドル資産の割合を減らし、他の外貨資産を増やし、外貨準備資産構造の多元化を図る必要がある。「(中国の日本国債購入は)もちろん日本円が短期的に値上がることも視野に入れている」と曹氏は話す。
投資の多元化政策は外貨準備を運用した投資に新しい道を開くと同時に、外貨準備の安全性、流動性、リターンのバランスを取ることを目的としている。