銀河証券のチーフエコノミスト・左小蕾氏は「中国の日本国債の購入拡大は人民元改革の推進にも役立つ。中国が現在進めている為替相場の形成メカニズム改革の重要な内容のひとつが通貨バスケットを参考にし、人民元とある単一通貨の為替相場だけにとらわれないこと」だと指摘する。
欧州連合(EU)と日本はそれぞれ中国の第一、第三の貿易パートナーだ。投資や貿易の際、ドルを重視し、ユーロや円を軽視するのは現実のニーズに見合わないし、いわゆる通貨バスケットは形式だけになってしまう。
日本の一部の市場関係者やアナリストは、中国の日本国債購入が拡大し始めたのは欧州で債務危機が深刻化してからで、しかもその大部分は短期国債であることから、一時的にリスクを回避する動きでしかなく、欧州の債務危機が緩和もしくは終結すれば、資金が流れていくに違いないと見ている。
だが左氏と曹氏によると、中国は米国、欧州、日本のどの国債でも多元化投資を行っており、リスクの低下、資産価値の維持、向上を目的としている。
中国の外貨準備は国際金融市場においてこれまで投機を行ったことのない、安定した、責任ある、長期投資家とみなされている。左氏は、欧州の債務危機のほとぼりが冷めない状況下で、中国は最近スペイン国債を購入した例をあげる。
「人民網日本語版」2010年8月3日