被害者の世話をする様子
検察側の調書では、加藤容疑者は普段おとなしい性格で、自信はないが暴力的な考えを持っており、短大の時に友人とトラブルを起こした時には、夜にエアガンを持って相手の寮に侵入して襲うことも考えたという。また仙台で働いた時は残業手当がもらえず、事務所にガソリンをまいて火をつけようと考えたが、実行には移していない。
2006年と2007年に2回、自殺を考えたという加藤被告。その時には大阪に何度も行き、インターネットで知り合った人に会ったと供述している。
加藤容疑者は犯行前、非常にインターネットに熱中し、特にチャットや書き込みに夢中だったようだ。秋葉原に導いた導火線は「ネットで自分の存在が無視されていた」ことだったと彼自身言っている。
加藤容疑者は犯罪の当日、携帯電話で朝から昼にかけて、いくつかのサイトに「・・・秋葉原で人を殺します。車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います・・・」と宣告している。最後のメッセージが送信されたのは昼の12時10分で、それから約20分後に車で人ごみに突っ込んだ。
加藤容疑者はその後、ネットでの殺人の予告は、読んだ人に止めてもらいたかったためだと話している。
犯罪の動機はいったい何だったのか
4回の供述調書から見て、犯行の動機について検察側と加藤容疑者とに間にはずれがある。
加藤容疑者は、自分の「復讐」は、彼の存在を無視したネットというバーチャルの世界だと言っているが、検察はこのロジックを疑っており、加藤容疑者の犯罪は、仕事がうまくいかないことや冷たい家族関係、見放されたという感じ、孤独感などが駆り立てたもので、ネットはその導火線に過ぎないとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月13日