知ってて知らない烏龍茶

知ってて知らない烏龍茶。

タグ: 烏龍茶 ウーロン茶 中国 日本

発信時間: 2010-08-13 15:54:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=ゆうこ イラスト=amei 監修=徐光

烏龍茶といえば、日本では誰もが知っている飲み物です。スーパー、コンビニ、自動販売機……、ペットボトルに入った烏龍茶はどこでも買えますよね。

しかしながら、ここ上海の茶館では、もちろんペットボトルの烏龍茶なんてありません。烏龍茶を注文すると、凝ったつくりのお盆に小さな急須、透明なカップ、小さな縦長の碗、そしてこれまた小さなおちょこみたいな丸口のコップ、あとは何に使われるのかわからない謎の茶道具らしきものが運ばれてきました。店員さんがこれらの道具全部にお湯をかけていきます。次に、茶葉を、熱くなった空の急須の中に入れてふたをし、何度か揺らします。そうしてから急須のふたを開けると、ふわりと鼻に抜けるかぐわしい香り。ジャスミンよりもっと濃厚な香りがします。

不思議に思った私は、「どうして烏龍茶なのにお花の香りがするんですか?もしかして、花茶みたいに、お花で香り付けしてるんですか?」と聞いてみました。

すると、店員さんは「これは、烏龍茶にもともと備わってる香りなんです。今召し上がっているそのお茶は鉄観音といって、烏龍茶の中でも代表格のお茶なんですよ。濃厚な蘭の香りをまとうお茶です」

「んん? 香り付けをしてないのにどうしてお花の香りが?」考えれば考えるほどわからなくなってきました。

さて、ここから物理の授業です。店員さん曰く、私たちが感知している香りというのは、香り成分を含んだ分子が嗅覚細胞に働きかけた結果、感じるものなんだそうです。茶葉自身に香り成分が含まれており、お茶の香りも、お花の香りも、すべては茶葉に含まれる香り成分を含んだ分子に由来するものなんだとか。烏龍茶には、多種類の香り成分が含まれる上に、香りも広がりやすいため、加工する際にひと工夫すれば、茶葉に含まれる香り成分の中から、お花の香りに似た成分を引き出すことができるのです。濃厚なお花の香りを感じるのは、こういうプロセスがあったからなんですね。鉄観音茶に含まれる各種の香り成分が一緒になると、ちょうど蘭のような香りになるので、鉄観音は蘭の香りがするというわけです。鉄観音以外の烏龍茶ファミリーには、キンモクセイの香りがすると言われる「黄金桂」に、ミルクの香りがすると言われる「台湾金萱」、はたまたポップコーンの香りがすると言われる「毛蟹」というお茶まであります。烏龍茶自身が持つ香り成分に加えて、加工されるプロセスに改良が加えられた結果、烏龍茶は変幻自在な香りを身にまとうお茶になったのです。

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