上海万博のパレード運営スタッフ 嶋田佳奈子さん
北京五輪に次ぐ中国の一大イベント、上海万博。「世界の縮図」といわれる万博で働くのは2回目という嶋田佳奈子さん。きっかけは、地元で行われた愛知万博。そこで、世界中のいろんな国から来た仲間と知り合いになる。万博の醍醐味を味わった嶋田さんはいつしか上海万博への思いを募らせていく・・・。今回は念願を叶え、今パレードの運営スタッフとして活躍する嶋田さんに、上海万博と愛知万博、それぞれの魅力について聞いた。
嶋田さんは愛知万博でアテンダントを経験したと伺いました。そのきっかけは?
アテンダントの募集が始まったのは私が大学4年生になったばかりの頃。ちょうど就職活動真っ只中でした。父が博覧会マニアだったので、母が「お父さんは万博で働きたくても働けなかったから、アナタが万博で働いてみたら?」と勧めてくれたのですが、万博と言う期間限定の仕事にはまったく興味がありませんでした。しかし、就職活動が思うようにうまくいかなかったのと、開幕を1年後に控えた頃だったので万博の話題が盛り上がり始め「人生一度は万博だ!」と言うポスターのフレーズに心を動かされました。
アルバイトでも接客業の経験があったので、お客様をアテンド(接待)する仕事なら私にも出来るかもしれないと思い、就職活動と並行して、自分で「EXPO Job Hunting」と称しさまざまな万博関連の仕事に応募をしました。とうとう就職活動中に受験していた全ての会社から内定を得ることが出来なかったので、真剣にExpo Job Huntingに取り組みました。
グローバルコモン1のアジア中東地域のスタッフと
愛知万博ではどんな経験をしました?
愛知万博では、ある企業館のアテンダントとして、お客様の誘導、ご案内を主な仕事として、イベントや式典のMCやアナウンス、VIPのお客様に対するお茶だしの接遇、インフォメーションブースでの予約や優先入場対応など来館されるお客様の接客業務の全般を行いました。
「万博は世界の縮図」と言われているように、老若男女や日本語や英語の話せない外国の方、障害のある方など、本当に多種多様のお客様がいらっしゃいました。ですので、100%のお客様に満足いただけたわけではなく、お叱りや、理不尽なことを言われたりなど、悔しく泣けてしまう時もありました。しかし毎日大変多くのお客様をご案内する中で「楽しかった」「面白かった」「ありがとう」という言葉をたくさん頂戴したり、中にはパビリオンのファンになって、何十回と足を運んでくださるお客様もいましたし、仲間同士で協力し合い、誠心誠意おもてなしの心で接することで理解していただき、辛い局面を乗り越えることができ、最高の思い出を作ることができました。
瀬戸会場で 市民参加のハンドクラフトのモリゾー&キッコロと
愛知万博で一番印象に残っていることは何ですか?
万博最終日です。最後のお客様をお見送りした後に行われた閉館式典後、クルー(男性スタッフ)が館長の胴上げを行い、その後海外の卒業式のようにかぶっていたキャップを一斉に空高く投げました。それにつられたアテンダントも制服の帽子を空高く投げたのが、一番印象深いです。「万博を無事に卒業できた」と言う思いと、「もう終わってしまう」と言う寂しさで感極まり全員で大号泣しました。
もう一つは、会期中に知り合った世界中から来た仲間と出会えたことです。今でも連絡を取っている海外の仲間もいますし、この「上海万博で会おうね!」と約束をして、万博会場で再開を果たした仲間もいます!
同僚とメキシコ館の愉快なスタッフと記念撮影