「この2カ月、国内の投資家から多くの問い合せと申し込みがありました。日本で不動産投資のチャンスを探し、顧客数を拡大していきたいです」。日本ベターハウス海外事業部の蒋瞿旭シニアマネージャーはこう話す。「中国不動産報」が伝えた。
日本の2つのハイエンドプロジェクトを携えて「第5回中国国際ハイエンド不動産展」に参加した蒋瞿旭氏は、この2つのプロジェクトは場所的にもプロジェクト自体にも非常に大きな投資価値があると話す。
昨年、日本の不動産価格は下落、日本の不動産バブル崩壊以来最低となり、投資価値が出てきた。
▽チャンス到来
日本最北端の北海道千歳市は人口9万3千人の小さな町だ。ここに広告会社NitoriPublicが17棟の売り家を出したところ、日本で第2の家を持ちたい中国の富豪が約8千万円を払ってすべて買い取った。同じような状況が日本の他の場所でも次々と起こった。
ある不動産会社が上海、北京、杭州、蘇州などでこの1年で400万元以上の不動産投資を行った投資家1000人を対象にアンケートを行ったところ、54.6%が日本の不動産には投資価値があるとし、9%が長期的に日本に定住したいと答えた。うち、日本での住宅購入に最も興味を示したのは30-39歳で、次が40-49歳だった。職業別にみると、民間企業の管理職の割合が48.1%にのぼった。
第5回中国国際ハイエンド不動産展の関係者によると、近年、海外での不動産購入や投資が人気を博し、海外のディベロッパーも中国市場に目をつけてきている。今年は海外17都市が出展、なかでも日本が目立ち、初出展で4つのプロジェクトを持ち寄ったという。
エコノミストは、「日本の不動産は2度の反落を経験したため、今はまさに買い時だ。しかも日本の不動産はすでに10年低迷しており、将来的にまた上がる可能性がある」と予測する。
▽棚からぼた餅か、落とし穴か?
蒋瞿旭氏は「中国人は日本での不動産投資に興味を持っていますが、どう投資するか知りません」とし、投資家を連れて日本に物件を見て回った経験から、日本の不動産投資のチャンスは多方面にわたると話す。まず、中国の不動産価格は急騰しているため、国内の企業家や富裕層は国外に目を向け始めている。一部が興味を持っているのは賃貸による収益で、中国では住宅価格の高騰でこの収益の魅力が失われてきている。
また、日本での不動産投資にはビジネスチャンスが潜んでいる。例えば、中国の投資家がアパートを購入して高級マンションに改装し、数社の中国企業に転売した事例がある。買ったほうの中国企業はマンションを顧客の接待やビジネスパートナーの宿泊先として使っている。
高い収益には必ず高いリスクがともなう。いかに政策、法律、取引、さらには為替相場のリスクを避けるかに、国内の投資家の関心は集まるが、国内のコンサルティング機関がこういった問題に全面的に答えるのは難しい。
そこで今回の不動産展では日本やオーストラリア、英国、シンガポールなど各国の不動産関連の専門家が投資家の疑問に答える、「海外不動産投資フォーラム」が特別に開かれる。
「人民網日本語版」2010年9月14日