中国のジニ係数は1994年に0.4の警戒水準を上回った後、1998年には0.456、1999年には0.457となり、2001年には0.459に達した。増加スピードはそれほど速くないものの、心配なのはプラス成長がいつまでも続いているということだ。これでは我々が警戒・重視しないわけにはいかない。
中国の高すぎるジニ係数は中国の国際的なイメージに影響を与えただけでなく、中国式の成長に対する評価にも影響を与えている。このことは、多くの発展途上国を襲う「発展ののろい」からの脱却に影響する重要問題となっている。
ここ数年、中央政府は財政移転支出、社会保障強化などの措置で貧富の差を縮めてきたが、現在の情勢を見ると、富の配分において資本と権利の偏りがますます強まるというすう勢はまだ変わっていない。
ある意味では、中国はすでに「発展ののろい」という泥沼に片足を突っ込んでいるとも言えるが、危険はこれだけではない。もし富の均等配分の問題でいつまでも共通認識が得られないなら、ますます時機を失うことになるだろう。(作者・中央電視台財経チャンネル「今日観察」評論員・劉戈)
「人民網日本語版」2011年1月25日