●中国経済は重厚感を増しつつある
東京タワーの高さは333メートル、パリ・エッフェル塔を上回る。だが、この「都市の高さ」に中国人旅行者が感じる驚き、気持ちの高ぶりは小さい。
「われわれは経済のグローバル化の中で、お互いの『発展の高さ』の差をいかに縮小するかにより関心がある」。1月24-30日、2010年度第3陣中国青年ジャーナリスト代表団に随行して訪日した際、国内の同僚ジャーナリストからこうした声が上がるのを1度ならず耳にした。
視覚の変化は同様に、中国経済の動向に極めて敏感な日本の企業界にも見られる。
代表団は1月28日、関西経済連合会と座談会を開いた。連合会の山川薫理事は「中国は物質的な発展では日本に追いついたが、環境保護の意識はまだ日本より30年遅れている」と直言。その上で「関西の優れた環境・エネルギー技術事例集(中国語)」を手に取り、日本企業のこの分野での優位性を紹介した。「経済発展と環境保護という相互利益を実現する」、「持続的な発展を実現する」といった国内の科学発展において頻繁に出てくるホットな用語がこの事例集にもあった。
パナソニックセンター大阪では、職員の案内で、廃棄ブラウン管を使って再生された建材装飾が透明でキラキラと輝く「光の道」を参観。家庭の省エネやエネルギー創造、エネルギー備蓄技術への情熱が伝わってきた。フルハイビジョン3D・VIERA技術による10分間の08年オリンピックも鑑賞した。
伊藤忠商事の岡藤正広社長は「世界経済の危機後、中国経済は重厚感を増しつつある。消費市場以外における多くのこと、例えばインフラや水資源の利用、環境・省エネなどは関心を寄せるに値する。先進国を中心とする世界の企業はまさに、中国経済のこの新たな変化に熱い視線を注いでいる」と強調した。
●「等身大」の双方の理解が非常に重要
日立グループからの情報は岡藤社長の視点を十分立証している。80年代に中国人が聞きなれた日立カラーテレビのコマーシャルがテレビ画面から消えて20年余り、新世紀に中国で成長してきた次世代はおそらく、現在の中国の都市建設とエネルギーを利用する中でまったく新しい日立を認識することになるだろう。
だが、こうした道にはいまだ障害が存在している。「不十分な情報では『等身大』の双方を理解することができなくなる」。日本の駐中国大使館報道官の西淳也氏によると、言論NPOとチャイナ・デイリーが10年に行った共同世論調査では、日中が協力を強化しなければならない分野は経済と貿易だと考えている人が、環境とエネルギーの分野だとする人(日本側は21.8%、中国側は17.9%)を遥かに上回った。西氏は「時により、日本と中国はやはり近くなったり遠くなったりする」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月14日