◆汚染水の放出、米「異議はない」
周辺国の不満と非難に対し、枝野幸男官房長官は「関係省庁や各国との事前の相談や報告の手配がどうなっているか、私が指示すべきだったと反省している」と陳謝した。
こうした対応から首相官邸の準備が行き届いていないことが伺える。日本のメディアがその後明らかにした(汚染水放出の3日前には日本政府が米国と協議し、黙認されていた)事実から、枝野幸男官房長官の反省には大きな矛盾があることがわかった。
米エネルギー省の関係者が1日、首相官邸で日本政府の高官と会談した際、「原子炉を一刻も早く冷却するため、放射能汚染水を海に放出するしかない。放射性物質は海水で薄められるから問題はない。米政府は汚染水の放出に異議はない」と話したと東京新聞が8日、伝えた。
同紙が日本政府の関係者の話として伝えたところによると、東京電力の本部で開かれた日本政府と米大使館の対策会議で、米国側は海への汚染水の放出を許可する態度を取ったという。首相官邸の関係者は「海への汚染水放出の決定は日本が決定したもので、米国政府が要求したことではない」と説明したものの、米国側が「問題ない」と発言したことは認めた。
◆「過度な反応」を控えるよう隣国に要求