日本の国債の安全を支えるこれら3つの柱が、東日本大震災の発生と同時に揺るぎ出した。まず、日本銀行(日銀)による「国債のマネタイズ」が極限に達し、もはや持続不可能な状態となった。震災後の日本銀行による市場への特別資金供給量は、3月27日の時点で累計100兆円を上回り、資産買い入れ基金規模も40兆円とした。これは、リーマン・ショック後の8倍に相当する。日銀の白川方明総裁は国会答弁で、憂慮の表情を全く示すことなく「国債購入規模を今後も拡大し、市場における日本円の信用を維持する」方針を明言し、「国債のマネタイズ」を継続することは不可能との見方を示した。また、日本人の個人預金率は低下の一途を辿っており、財政バランスが崩れ、さらには少子高齢化が加速している。1980年代には10%だった日本人の預金率は、2008年には3%まで急激に落ち込み、このすう勢はますます加速している。さらに、日本の経常収支における輸出超過構造が揺らぎ、産業の基盤上で国債の安全が崩れ始めた。今回の大震災と放射能漏れ事故は、日本の製造業を直撃し、世界の産業分業システムにおいて、「製造業大国」日本は、他国による「急きょ欠員補充」と「革新の空白補填」というリスクに直面、世界市場シェア争奪戦で、日本製品はさらに苦境に追い込まれることになるだろう。
「国家リスク」とは一般的に、国際融資・融資における検討対象国の信用度を示し、経済・経済面での安定度などが指標となる。特に、国債リスクは常に国家リスクの核心的指標と見なされている。国家の外債総額指標や債務返済比率(DSR:Debt Service Ratio)は、その国のリスク等級を評価するための重要ツールだ。震災復興再建資金の調達および新規発行国債利率と円高はいずれも、債務問題悪化に対する市場の憂慮を引き起こしている。また、今回の震災で2万人以上が死亡・行方不明となり、被災地の物流・生産システムさらには社会信用システムが広範囲で壊滅状態となり、日本が直面する経済・社会再建任務の道は極めて厳しい。従来の支出削減や税収増加などの「開源節流(収入を増やし支出を抑える健全財政)」というやり方では「焼け石に水」に過ぎないどころか、社会問題や政治リスクを激化し、日本経済後退の長期化を招く恐れがある。国債リスクと国家リスクというダブルリスクがともに高まった今、日本の債務安全がグローバル市場の厳しい評価から逃れる道は無い。
「人民網日本語版」2011年4月13日