東日本大震災から1カ月が経った。菅直人首相は人民日報に「絆」という広告を掲載し、被災地に援助を行った国・地域に対し、感謝の意を示した。外交学院の周永生教授は、この行いは日中関係にプラスの影響をもたらすだろうとの見方を示した。
中国に感謝のメッセージ
昨晩、在中国日本国大使館の公式サイトには、菅直人首相の感謝のメッセージが掲載された。菅首相はメッセージの中で、「中国は地震発生からまもない3月13日に国際救援部隊を派遣し、3000万元分の救援物資や1万トンのガソリン、1万トンのディーゼルなどを無償で提供してくださいました。また、中国の指導者や多くの中国国民の皆様からは日本に対する激励の言葉をいただきました。日本国民を代表して感謝申し上げます」と述べた。
広告によるメッセージは特殊だが、意外ではない
周永生教授は、広告による感謝のメッセージは国際関係を築く上で非常に意義があり、中日関係の推進にプラスの影響をもたらすとの見解を示した。
周永生教授は、メッセージの内容に関して、日本政府はこの機会を借りて、日本は復興活動に全力で取り組み、福島原発事故を制御しようと努めており、心配しないでほしいと国際社会に発信しているのだと述べた。
広告という形で感謝を示したことについて、周永生教授は、日本は国内の広報手段を国際化したとの見方を示した。周永生教授は、「広告という形式は中国ではあまり用いられないが、国外では一般的である。例えば、選挙などの際にも重要な媒体として広告が使われている」と述べた。
周永生教授は、日本の首相が改めて中国の救援に対し感謝の言葉を述べたことは、中日関係の推進を後押しするものであるとの見方を示した。「礼儀はコミュニケーションの潤滑材である。対立を溶かし、摩擦を減らし、友好を促進する。国際関係もこれと同じである。」
周永生教授は、中国人の間にはこれまで日本に対する批判の声が上がっていたが、今回の地震に際して、中国人は日本に同情を抱いており、世界に対する関心とヒューマニズム精神が高まってきていると述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月12日