中国経済および日系企業の現状

中国経済および日系企業の現状。

タグ: 中国経済 日系企業の現状 2011年の中国経済の展望 「中国経済と日本企業2011年白書」

発信時間: 2011-04-19 18:07:06 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

しかしここ2年ほど消費の牽引役であった自動車について、減税が終了した点は大きい。減税が導入された2009 年の自動車販売台数は1364万台、2010 年は1806 万台を記録した。伸びは09 年が45%増、10 年は32%増であった。現状2011 年の販売台数については2000 万台前後との声があり、これは3年連続世界一と目される市場規模だが、前年比では10%程度への鈍化を意味する。

投資については、引き続き経済の牽引役との見方が根強い。第12 次五カ年規画の初年度であり、中央・地方とも投資意欲は高いと考えられる。既に発表されている投資案件もいくつかある。2011 年の保障性住宅1000 万戸の建設は金額にして1兆元を超えるものと考えられる。鉄道部の工作会議においても、2011 年に高速鉄道をはじめとする鉄道関連の投資は7000 億元と発表されている。さらには7 つの戦略性新興産業の育成加速の方針も打ち出されている。

外需についてみると、2010 年の輸出の伸びは高かったものの、これは前年が未曾有の落ち込みであったせいもある。つまり2011 年は、欧米景気が最悪期を脱しているにしても伸びの加速を期待しがたい。他方輸入については、内需の増加を背景に、昨年に続き安定的に増加するものと思われる。輸出入の動きをまとめると、外需の成長への寄与度は昨年並みか、場合によっては低下することも考えられよう。

これらの需要の動きを踏まえると、2011 年のGDP 成長率は今年並みか、場合によっては若干の鈍化も考えられる。2010 年は10.3%増であったので、2011 年は9~10%程度ということになる。

物価動向

2011 年の中国経済の一番の注目点は物価だろう。現在の物価上昇は、野菜を中心とする食品価格の上昇によるものであり、基本的に一時的な天候不順と過剰流動性が原因とみられている。2011 年の物価上昇率の目標は4%前後であり、実現に向け過剰流動性への金融引き締めによる対応と食品流通コスト削減などを盛り込んだ16 項目の物価抑制策は既に始動している。

国家統計局の馬建堂局長は2010 年通年の統計指標発表の席上、「政府が11 月20 日に打ち出した16 項目の物価抑制策の実施により、12 月のCPI 上昇率は4.6%と、11 月の5.1%から鈍化した」と政策の効果を強調した。しかし同時に、先進国の量的金融緩和による国際商品市況の上昇、10 年からのキャリーオーバーが2.6 ポイントあること、労働力や土地価格といったコスト上昇も進むことなどから、物価上昇圧力は依然根強いとの見方も示した。2011 年1月の預金準備率引き上げ、2月の春節明けの金利や準備率の相次ぐ引き上げは、インフレに対する強い警戒感の表れといえよう。

 

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