一方で中国市場は、地場企業の台頭も著しく、市場での競争は厳しさを増している。さらに近年は、労務・税務をはじめとするコストも大きく上昇しており、中国のビジネス環境は大きく変化してきている。08 年から施行された労働契約法やその実施細則により労働者権利の保護意識が高まり、新世代農民工の増加により権利意識も高まっている。その反面、急速な経済成長の中で低所得者の生活は依然として苦しい状況にあり、発展の成果を享受できない不満が高まってきているとの声も聞かれる。これらは、中国政府が十二五規画で国民生活の改善を強調している背景でもある。昨年は最低賃金が相次いで引き上げられ、それに伴い在中国日系企業の労務コストは急激に上昇している。このことは在中国日系企業にとって大きな懸念となっている(表1)。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月19日