巨大地震・津波による原発危機が依然として世界の注目を集めている。1954年に原子力計画をスタートして以来、60年近くの発展を経て、日本は原子力発電の超大国となり、原子炉で大量の使用済み燃料を生んできた。潜在的な核兵器の開発も軽視できない。
◆意気盛んに原発計画
原子力発電の設備容量が世界第三位を誇る日本は、資源が乏しく、原子力エネルギーを早くから視野に入れてきた。1954年、日本政府は2億3000万元を投資して原子力エネルギー研究計画を始動。その後、原子力エネルギーに係る法律や組織を整備し、原子力委員会、原子力研究所、核燃料グループなどを設立した。
今世紀に入り、日本が原子力エネルギーを重視する姿勢はより強まり、原子力エネルギー開発を温室効果ガス削減の主な手段としてきた。08年、日本は2050年までに二酸化炭素の排出量を54%削減、2100年までには90%削減すると発表。この目標実現に向け、原子力エネルギーを最も重要なエネルギーとし、2011年までに60%のエネルギーをこれでまかなうとされた。これは、温室効果ガス削減の半分を原子力エネルギーが担うことを意味する。日本には運転中の原子炉が54あり、米国とフランスに次いで3番目に多い。
原子力発電は日本の全国の電力の30%を占めている。日本の経済産業省は06年、「原子力国」を目指し、2030年までに原発の割合を30~40%に高める「国家エネルギー新政策」を打ち出した。2010年3月21日に発表された「エネルギー基本計画修正案」(草案)では、2020年までに新たに8つ、2030年までにさらに6つの原子力発電所を建設するとともに、2020年に設備の利用率を現在の60%から85%に高め、2030年にはこの比率をさらに引き上げ、世界最高の利用率を実現する方針が打ち出された。
◆日本が保有するプルトニウムで原子爆弾5000個が製造可能