NSGはより国際化された企業となったが、惜しいのは、その株価がなんと同等レベルの企業の中で最低であることだ。06年から現在まで、NSGの時価はすでに半分となり、フランスの競争相手セント・ゴバイン社は15%しか減っていない。これはあるいは、日本の疲弊した経済とこの数年の2度にわたる災害で説明できるかも知れない。
買収を通じて企業を国際化した典型も、株主により多くの利益をもたらすことができなかったことを示しており、ここから、注意力を国内市場に集中するほうがより理想的な選択になるかも知れないこと見て取れる。全く整然としない国内市場で、日本企業は買収を行うチャンスは非常に多い。先ず利益を獲得する能力を増強し、その後に海外拡張の準備に取り掛かるべきだろう。明白なのは、企業財産を海外での買収・合併に浪費するのは、日本企業の長期的な競争力の向上にマイナスとなることだ。(ロイター通信コラムニスト、ロブ・コックス)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月8日