現在、金融政策を改めることで将来のバブルと可能性のあるインフレを防止する、との回答は尚早であり、基本的にインフレ率の勢いはやはり低下の方向にあり、貸借と投資の不足が過度の信用に比べずっと深刻な問題となっている。
最も重要なのは、財政論争では現実を考慮し、国の信望に対する最大の脅威が、持続的な緩慢な成長がもたらすGDPに占める債務比率の大幅上昇であることをはっきりと認識することが肝要だ。これは中期の支出抑制と税収の向上措置を論じると同時に、短期の成長も考慮する必要があることを意味している。
あるいは米国の最も根本的な優勢は強靭性かも知れない。われわれは08-09年に時機を逸することなく即断して大不況を回避したが、今、経済の現実を正視することで失われようとしている10年は避けられるのではないか。
※ローレンス・サマーズ
ハーバード大学教授
元ハーバード大学長
元クリントン政権後半期に財務長官
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月20日