11.先生の力量
日本では1クラス10~30人の子どもたちがいて、先生は一人だけだ。初めの頃は、本当に一人で大丈夫なのか、子どもたちをまとめるだけで精一杯だろうと先生のことを見くびっていた。しかし、ふたを開けてみると、それは大きな勘違いだった。先生一人で30人の作品展、30人の太鼓演技(プロ顔負けレベル)、30人の美術、音楽、読解能力、30人の誕生日、30人の大型発表会、運動会を一手に引き受け、更に全ての完成度が高いのだ。去年の発表会『ブレーメンの音楽隊』でも、一人も欠けてはならない日本の習慣にのっとり、30名全員を雌鶏4羽、猫3匹、犬5匹、ロバ2頭、泥棒数人等に振り分け、それぞれの役柄ごとに衣装や道具、背景を作り(全て不要物の再利用)、音楽を決め、台本を準備し、1ヶ月間練習を重ねた。それだけで大変な作業なのに、その先生は涼しい顔でそれをこなしていく。しかももう50代とのこと、「すごい!」の一言に尽きる。
12.仏教の影響