もう1つは、人生80年の時代に30そこそこで引退して再就職せざるを得ないリスクをあえて子供にとらせる親も少ないのではないか。
そういう意味でこの問題は、スポーツ主管部門の重視うんぬんというよりも、社会のニーズの変化、人々の選択肢の多様化をも見て取る必要があるのではないか。
日本女子サッカーの快挙はすばらしいことだが、中国の国情に立脚してこれを受け止めるべきではないだろうか。日本でも一時、事業仕分けで一部事業の存続の可否が問われたこともある。これは日本国内の問題であるので論評は控えるが、要するに国情と国の全般的方針を考えて勘案した方が現実的だと思う。
そういう意味で、スポーツ強国への道はすばらしい道であるとともに、何十万という若者にスポーツという人生の道を選ばせ、やがては引退後のことまで配慮しなければならない大きな社会事業ともなることだ。中国のスポーツ主管部門にとっては、建国初期とは違った対応を必要とする時代になっているのである。日本に学べ、というのは易しいことだが、そうした難事業に立ち向かう中国スポーツ主管部門の心中も察すべきではないだろうか。
中国の女子サッカー選手の大活躍を願うとともに、いろいろとその道中に横たわる課題をも考えて見たい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月21日