第19回アジア陸上競技選手権大会が神戸で閉幕した。日本は11枚の金メダルを獲得し、中国の10枚を凌いでトップとなった。「30年来、アジア陸上競技選手権大会で初めて中国を超えた」ことは大きなニュースとなった。
しかし、この勝利は日本の陸上競技が中国に勝り、再びアジア陸上競技のトップに立ったことを証明できるトピックだろうか?実際はメダルランキングの背後にはさまざまなストーリと偶然の原因があるものだ。1回のメダルランキングではアジア陸上競技の実力を反映できないだろう。
2012年にオリンピック、2011年8月に陸上競技世界選手権大会が待っている。多くの選手が今回のアジア陸上競技選手権大会を1つの練習試合とみなし、全力を出していない。また、一部の有名選手は他の試合に備えるため、今回の大会を欠場している。例えば、ハンマーの日本の室伏広治選手、中国の張文秀選手などはそうだ。ある国家は若手を派遣し、未来の活躍を目指している。各国はアジア競技大会をより重視しているし、アジア選手権大会には練習試合の意味が濃い。
日本は主催側だったので、時の利・地の利・人の和の条件がよく、日本人選手は実力を発揮しやすかった。また、よい条件として、主催側だったので試合ごとに参加者を1人増員して申し込むことができた。今回の大会には日本チームは合計100人がエントリー、42試合に参加したが、中国チームは40人がエントリー、24試合を参加しただけだ。2年前の広州アジア陸上競技選手権大会では、中国が18枚の金メダルを獲得し、日本の12枚に勝った時もこの条件が作用していた。
他にも、偶然の事件として中国女子4×100メートルリレーの試合では、中国チームはそれまでの3コーナーで競り勝っていたが、最後にバトンミスがあり、日本チームに逆転されている。この金メダルが最終的にメダルランキングの結果を決めた。
これまでは成績がよくなかったアジア陸上競技選手権大会だが、いくつかよい成績も出ている。100メートル障害の劉翔選手が13秒22、男子走り高跳びのカタール選手の2.35メートル。世界一流の成績を獲得するのも、試合、国家の実力を評価する重要な基準である。日本は非常に陸上競技を重視する国家で、男子短距離競走、400メートル障害、男子ハンマーなどずっとアジアのトップだが、ただ今回はあまりよくなかった。男子4×100メートルリレーは日本のお家芸種目で前回の世界選手権では第3位を勝ち取ったことがあるほどだったのだが。
つまり、主催側だった日本は、各国があまり重視していなかったアジア陸上競技選手権大会でメダルランキングのトップとなったものの、全面的に中国と日本の実力を反映しているとはいえず、「中国を再び越えた」という言い方は正しいとはいえないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月23日